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【絵の値段の決まり方】

イラストの値段って高いですよね。
私もイラストレーターとして活動し始めるまでは、なんでこんなに絵って高いの?と思っていました。

簡単な絵であれば、自分で描けてしまう人もいます。

イラストレーターや漫画家と名乗っていない人でも絵が上手な人もいます。

お願いすれば描いてくれた友達もいたかもしれません。

「あの絵と比べて、この絵は下手なのになぜこの値段なの?」と思ったことがあるかもしれません。

この記事を読んでいただければ、なぜこの値段になるのか、値段が上がっていってしまうのかがわかっていただけると思います。

そして、依頼者側とイラストレーター側、それぞれに持っていてほしい気持ちについてもお話します。

前提として、イラストレーターに限らず、技術を売る際の値段は上がります。なぜなら、その技術を身につけるまでに沢山の時間と労力を費やしているからです。膨大な練習の結果、技術が高まり、やっと世に形として現れるのです。そのため、基本の料金が高いのです。

上記にプラスして、以下のような項目がイラストの料金に加味されます。

値段に大きく関わる事項

イラストレーターによって考え方は異なりますが、概ね以下のような項目が値段に関わります。

イラストの描き込み量

描くものがキャラクターなのか、動物なのか、風景なのか、抽象的なものなのか。

顔だけなのか、半身なのか、全身なのか。単体か、複数人か。

背景ありの絵なのか、文字や、メインの絵以外に小物を入れるのかどうか。

モノクロなのか、カラーなのか。カラーであれば、色の塗り方はアニメのような塗り方なのか、厚塗りと呼ばれる何度も色を塗り重ねていく塗り方なのか。

など、それぞれの絵師の判断になりますが、描き込み量による値段の上下が発生します。ですが、共通して言えることは「複雑、また量が多くなればなるほど値段は上がる。」ということです。

部数やイラストのサイズ

部数が多くなったり、サイズが大きくなったりすると値段が上がります。

パソコン上の設定の問題なので「数値をだけ変えるだけじゃないか」と思われるかもしれませんが、「もしアナログで描いたら」という考えで値段を考える必要があります。

サイズが大きくなればなるほど、パソコン上での処理にも時間がかかりますからね。

使用媒体、期間

チラシになるのか、企業のマスコットキャラクターになるのか、ソーシャルゲームの一部になるのか、電車の中吊り広告になるのかなど、何に使われるかによって値段が変わります。

依頼者側の予算や絵師側の値段設定にもよりますが、「たくさんの人の目に触れやすい物」ほど値段が上がりやすくなります。

また、使用期間が長ければ長いほど値段が上がります。

「その絵を買った=自分のものになる」ではなく、「その絵を指定の場所で使うことができる権利を買った」となります。そのため、たくさんの人の目に触れやすいほど、使用期間が長いほど高くなるのです。

使用者

企業からの依頼なのか、個人からの依頼なのかで変わります。

イラストレーター側は「企業だから値段を上げる、個人だから値段を下げる」のような安直な値段設定はしません。企業と個人では組まれている予算帯が違うので、個人よりかは企業の方が大きな値段で取引されることが多いです。

また、使用媒体や使用期間の面でも、企業で使う場合の方がたくさんの人の目に触れやすく、かつ、長く使われることが多いので、値段が高くなります。

二次使用料

依頼して完成した絵を、別の媒体や目的で使う場合に発生する料金のことです。
この二次使用料に関しては、後でトラブルになりやすい原因となります。依頼者側も、イラストレーター側もよく確認をしましょう。

イラストレーター側が二次使用料を決めていて、交渉することが多いです。

基本的な二次使用料は、
イラスト制作料金の20~80%です。

私の場合は30~50%もらうよう、依頼者側に伝えています。

契約内容や、著作権の所在によって発生するかしないか変わりますので、ご注意くださいね。

知名度

イラストレーターが有名であればあるほど、値段が上がります。

有名な方は「絵の技術が高い」「依頼が集まるので、イラストレーター側が仕事を選べる環境にある」「有名な人が描いたというだけで宣伝になる」など、描かれた絵に+αが生まれるので、高くなりやすいです。

依頼者側もメリットは大きいですね。
自分で宣伝をしなくても、その絵師を知っている人が多ければそれだけで注目されますからね。

納期

発注から納品日まで期間が短ければ短いほど値段は上がります。

その絵に掛けられる時間が減ってしまいますし、イラストレーター側の予定調整が必要となる場合も出てくるからです。

依頼者側はなるべく余裕を持った納期(3週間から1か月)を見込んでおくと、納期による費用は抑えられるかもしれません。お互い余裕を持って依頼に取り組むことができる、ということは良いことが多いです。

修正料

依頼において修正が発生することは当たり前です。
悪いことではないし、修正があることによってイラストレーター側と依頼者側のズレを少なくすることができます。

それぞれのイラストレーターで何回目から修正料がかかる、と決めていると思います。

私の場合は、2回の修正までは無料、3回目の修正から料金を頂いています。

その他の契約内容

・著作権を買いたい

・予算が限られているから、別の内容で補填したい
例:依頼者側が料金を下げてもらう代わりに、ホームページのURLを明記して宣伝する。  

・イラストレーター側が、印刷をして郵送するので、印刷代と郵送費を貰う。

・長期契約で出来高による決定

などによって変わります。
これに関してはよく相談をして値段を決めてください。

特に著作権に関してはよく確認をしてください。

イラストレーター側からの+α

この項目はあるかどうかは分かりません。
それぞれのイラストレーターによります。

・表情の差分(両目が開いている笑顔とウインクをしている笑顔など)を制作する。

・ホームページやSNSに実績として公開できるのであれば割引

など、あるかもしれません。

依頼をする側として

「素敵な絵を描いてもらいたいな」
「値段は安く抑えたいな」
「あの人に描いてもらいたいな」

依頼前は色々なことを考えますよね。
ただ、その考えだけで絵を依頼しようとすると、物事が上手く進まないと思います。

依頼を考えている方には、以下のような気持ちを持ってイラストレーターに接してほしいと思います。

相応の対価を支払う

ここまででお話した通り、様々な要素が合わさりイラストの値段が決まっています。

「単純な絵だから○○円でいいよね」
「友達だから安く描いて」
「あの人はこれくらいで描いてくれたよ」
「すぐ描けるんだから、これ位描いてよ」

という言葉は、イラストレーターを非常に傷つけます。

イラストの値段を公開しているイラストレーターは多くはないので、調べることは難しいかも知れませんが、依頼の連絡をする時には、自分の予算、相場、どのくらいの価格になるような絵を頼もうとしているのか、ということを下調べしておくとよいです。

そして、出来上がったイラスト「だけに」お金を払ったのではなく、そのイラストを生み出すための背景「にも」払っていることも鑑みてもらえると嬉しいです。

値段交渉はする。理由や要望きちんと述べる。

イラストレーター側の値段設定では予算を超えてしまうこともあります。
また、依頼者側にも何かしら事情や要望があります。

依頼をする時に値段交渉することは悪いことではありません。
失礼のない態度で、理不尽にならないよう交渉しましょう。

「予算を2万円で想定しているのですが、これに収まるようにするにはどうすればいいですか?」

「製作者の名前を明記して宣伝を行いますので、値段を少し抑えることはできますか?」

「別の案件と合わせて依頼するので、1つ1つの単価を抑えることは可能ですか?」

などの交渉はしていいと思います。

しかし、「他のイラストレーターは○○円で描いてくれた」という交渉はおすすめしません。
料金設定はそれぞれのイラストレーターの自由ですし、絵の描き方や、キャリア、etc、によって変動します。もし、交渉時にこの言葉を言ってしまうと、「ではその方に頼んでください」と言われてしまうでしょう。

誰に依頼するかは選べる

イラストレーターは特別な資格のいるものではありません。
言ってしまえば、誰だって「イラストレーター」を名乗ることができます。私も同じです。
絵の依頼を受けてくれる人は沢山いるのです。

Twitter・Instagram・Facebook・他SNSを探せばいくらでも絵を描いてくれる人がいます。一人に決めて頑張って交渉するよりも、自分の予算や依頼に合う人を探した方がトラブルも少なくなるかもしれませんね。

もし、「絶対にこの人に描いてもらいたいんだ!」と思うのであれば、イラストレーター側の要望に寄った交渉をしていくとよいでしょう。

イラストレーター側として

私も常に考えていることですが、

「自分の仕事として成り立たせるためには」

「依頼先として選んでいただくためには」

「自分の絵の価値はなんだ」

と頭の中をぐるぐる駆け巡っています。
イラストレーターとして依頼を請け負っていく上で、持っていてほしい考えをまとめます。

自分の絵の価値を下げない

「自分は駆け出しだから」

「まだまだキャリアがないから」

「○○円でいつも描いてきたから」

という理由で数千円という値段をつけてしまうと、一番困るのは自分です。

どのような理由があっても、依頼者側からは「○○円で描いてくれる人」という印象はついてしまいます。また、「自分の絵は○○円です」と、自分で自分の絵の価値を決めてしまっていることになります。
絵を完成させるためには多くの時間がかかります。時給換算してみたら大変な働き方をすることになってしまいます。

今この記事を読んで、「じゃ、これ位で」と頭に浮かんだ値段がありますね。


安いです。


「絵を描く」という技術はそんなに安くしていいものではありません。自信を持って値段をつけて下さい。あなたの絵を必要としてくれる人はいます。

技術の向上を怠らない

「絵の技術を安売りしてはいけない」と前述しましたが、対価に見合う、または依頼者の要望に沿っていることも前提です。

どんな絵も「その絵の良さ、その人の良さ」が出ますが、「相対的に見た技術の高さ」という尺度は付き物です。
一般的に「上手」と言われやすい絵です。
その時の流行の漫画の絵柄、写真と見間違うような絵、見た人を引き付けるような構図、など学習しているかどうかの差は顕著に現れます。

その時の自分が出せる最高の技術をイラストに注げるよう、日々練習していきましょう。

終わりに

イラストの値段が高くなる理由がわかっていただけたでしょうか。
決して法外な値段をつけているわけでもなく、楽をしようとも思っていません。

依頼者は提示された値段に驚くことなく、上記のような理由を分かった上で交渉してみてください。

イラストレーター側は、自分の絵に自信を持ち、値段に相応しい絵が描けるように邁進していきましょう。
自戒の念を込めて、この記事を書いています。

そして、お互いが納得して決まった値段が、今回の絵の値段です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。